近いようで遠い存在
「いつがラスト出勤?」
3、4つ歳が離れた奴らに聞いてた。2ヶ月前くらいからずっと。そして3月。桜の花🌸なんてどこにも顔見せてる感じしないんだけどね、まぁ別れの季節。
俺は8月の頭からアルバイトとして雇ってもらった。
Abercrombie&Fitch
採用の電話がかかってきた時は忘れないねw
「しょうと、アバクロで一緒に働きませんか?」当時のマネージャー(今は関西の店舗の店長してるらしい)のモーリーから。
本屋で座って本読んでたんだけど、その電話がかかってきた時は爆破しそうな喜びを抑制しようとしてたけど無理だったねw
だって美男美女しかいないあの「アバクロ」だよ?
まさか俺がそこで働けるなんて思ってもみなかったね。
そもそもアバクロを知ったのが高校時代。野球部に所属してたんだけど、皆「アバクロアバクロ」言ってたもんね。店の匂い、店員がカッコよくてスタイリッシュで、ムキムキで、女の人は超美人で…キリがないくらいに色んな情報が出回ってた。
俺は、天神(福岡の栄えてるところ)にアバクロっていう凄いとこがあるらしい。くらいの認識で、まったくの無縁だった。てゆうか、ファッションに興味なかったし洋服は親とイオンに行った時に買って貰えばいい、くらいの感覚だった。
高校2年の夏だったかな。
野球部の友達と遊んだんだけど、そこでアバクロの服を初めて見て、アバクロの店の香りを身に感じた。あのトナカイのロゴ(後から知ったんだけど、ムースってゆう動物らしい)を見た時はなんか惹かれたw
理由は分からないけどなぜか1人で店に行った。
それがさーなかなか店に行き着かないんだよ。Googleマップと見合わせながら店のあるはずのとこに行くんだけど、そこにはとても1人で入れない黒いビルがどんと建ってるわけ。
知ってる人は知ってると思うんだけどその黒い建物がアバクロ。よーく見ればAbercrombie&Fitch って書いてある。
確かにあの時の匂いもしてた。
驚いたのはこれから!!
店に入ったら挨拶してくれる店員さん1人1人がカッコイイし美人w
店員さんに圧倒されながらも目の前にあったパーカーをとって値札を見たよ。
感じ方は人それぞれだけど俺は手を出せない値だったね。
なにもかも遠い存在だったなーーーーーー。
同時に憧れも少し抱いてたんじゃないかな。
大学入学してブライダルのバイトを始めた。給料めっちゃいいしね。その年の7月。バイトで貯めたお金握ってアバクロ行ったわけ。
その日がなかったら今の俺はいないね。
ほんと偶然だったよ。なんで俺が?って思った。
「アバクロで一緒に働きませんか?」って。店長のあいなさんからリクルートしていただいた。まさかとは思ったけど採用までしてもらった。
でも一年前までめっちゃ遠い存在だったアバクロで働くなんて不安でしかなかったよw
商品知識ないし日本語しか話せないし。
ブライダルを辞めて、アバクロ初出勤。その日は自己紹介しまくったんだと思うけど緊張しすぎて覚えてないや😂皆歳上ばかりだけどfriendly に接してくれたことだけは覚えてる。
それから出勤重ねる度に下の名前で呼んでくれるから親近感湧くし嬉しかった。
俺はアソシエイトの中で1番歳下。
皆仲良しのアバクロに上手く馴染めなかった。会話に入りたいけど聞くだけ👂とかね。
だから同級生のやつらが先輩にタメ口使って楽しそうに話してるのが羨ましくて仕方なかった。
ただでさえ上下関係が厳しい野球の環境から上がってきた俺が2つも3つも歳上にタメ口で話せるはずがない。
モーリーのお別れ会。この日はこの話の原点って言ったらいいのかな。
モーリーが違う店舗に行っちゃうからお別れ会が開かれた。まだ皆と馴染めてないし参加するかどうか迷った。
幸いその日はタメで話しやすい奴らが行くって行ってたから不安ながらも参加した。
やっぱりあいつらはタメ口で楽しそうに話してる。俺も混じりたかったし、一緒に盛り上がりたかった。
その時俺の力になってくれたのがお酒🍶
やっぱりお酒を口に放り込んでしまえば俺のもの。それでも最初は頑張ってタメ口使いまくったよw
でも気づけば、昨日楽しかったと思える朝が来てた。思い返せば沢山いじってもらったし恋愛相談もしてた。
その日からアバクロの誰にでもタメ口きくようにした。
ほんと生意気だと思われるだろうけど、アバクロでのバイトが楽しくて仕方なかった。
それからは先輩とサシで飯に連れて行ってもらったし、ドライブにも呼んでもらった。
思い返せば沢山思い出を共有させてもらったし、バカなこともした。
そしていつの間にか近い存在になってて、携帯を開けば、暇潰しに電話で誘ってたりもしたw
だけど、俺とはかけ離れた大人な一面も沢山見てきた。
相談をすれば深い返事が返ってくるし、夢を聞けば現実味のある想像もしない返事が返ってくる。間近で沢山学ばせて貰ったし、何もかもがかっこよかった。
でも、本人はそれを意識なんかしてないし、むしろ何とも思ってないと思う。
いじってくるし、揶揄ってくるから尚更言えないけど、奴らは俺のヒーローで憧れの存在って
やつ。いつか面と向かって言いたかったけど最後の最後まで言えなかった。
そして奴らは最後の最後までただ楽しそうにやってた。
悔しいけどやっぱり今の俺には届かない遠い存在だった。
でも俺もあいつらみたいな良い学生生活送ってやるよ。
むしろ超えてやる。
だって歳下の俺にカッコイイとこ見られてんだからね。
そりゃデカすぎる落し物だよ。
しっかり全部拾って俺のものにする。
近いようで遠い存在だった。
じゃーな。クソカッケー先輩方🤝